Canaan's Blog

Land of Milk and Honey

ユリシーズ読了

ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士1 (ダッシュエックス文庫)
 

   

織田信奈の野望で有名な春日みかげ氏の新シリーズ『ユリシーズ』の1巻と2巻が同時発売されたので読んだ。本作は英仏百年戦争を舞台に、錬金術やそれによって作られた超人ユリスのお話で、主人公はかの有名な青髭のジル・ド・レ。ジャンル的には歴史物+ファンタジーと作者お得意の分野となっている。

 

ざっくり感想だけ書いてしまうと・・・1巻は読み辛い!

 

1巻と2巻で上下巻となっているが、1巻だけで450ページ近くもあり、紙面の多くに世界観、というか百年戦争当時のイングランドとフランスの情勢や登場人物の背景に割いている。主人公たち登場人物の場面転換も多く、全体的にまず読むのが大変だった。1巻読み終えてから2巻を購入したが、買おうかどうか迷ったほどだ・・・

ただ、2巻になるとそうした導入説明が減るため、かなり読みやすくなり漸く面白く感じられた。ジャンヌを始めとする少女たちの嫉妬と戦いも面白いが、個人的に興味を引いたのが章ごとに挟まれる神話だった。世界最古のメソポタミア神話を軸に書かれているようだが、1巻冒頭から読んでみると話がきちんと完結していて、錬金術やユリスとはなんなのか、色々な作中の背景が分かるようになっている。なんというか、この作者はうまいこと神話を作品内に乗っけて解釈しているなと思った。

・・・3巻が出たら買います(`・ω・´)